Razerがつくった「ゲーマー向けに見えない」ハイスペックなゲーム用スマホの実力

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ゲーム用ハードウェアメーカーのRazerが11月に発表した、同社初のスマートフォン「Razer Phone」。その魅力はゲーマー垂涎のハイスペックさと、ほかのゲーミングデヴァイスに比べるとかなり地味な外見だ。

TEXT BY DAVID PIERCE
EDITED BY ASUKA KAWANABE

WIRED(US)

Razor

PHOTOGRAPH COURTESY OF RAZER

Razerがスマホをつくったと聞けば、それがどんなものかすぐ想像がつくだろう。ゲーミングマウスやキーボード、ノートPCのメーカーとして名をはせるRazerが手がけたのなら、そのスマホは「ゲーマー向け」だと思うはずだ。

当然とてつもなく高性能で、最高のスペックを誇っているだろう。LANパーティーで羨望の的になるようなチップをいくつも搭載しているかもしれない。ゲーミングギアにありがちなように、おそらく巨大で超高額だろう。そして、間違いなく発光する。フレームは赤かもしれない。ひょっとしたら、Razer独自のイルミネーション機能「Razer Chroma」を搭載しているかも──など、妄想は尽きない。

しかし実際の「Razer Phone」は、多くのゲーミングギアに比べると退屈と言ってもいいくらいだ。形はがっしりとした黒い長方形。右ボタンを押しても効果音は出ないし、ぴかぴか光りもしない。Razerの三頭蛇のロゴでさえ、通常はネオングリーンのところが黒一色である。

実は「Razer Phone」開発の大半を担ったのは、デザイン性重視のスマホメーカーであるNextbitのチームだ。同社は非常にクールな外見のスマートフォン「Robin」を開発[日本語版記事]し、その後Razerに買収された。Razer Phoneには、そんなRobinのDNAが受け継がれているのだ。

ゲーマー垂涎のハイスペックさ

中身に関して言えば、Razer Phoneには「Blade」(RazerのゲーミングノートPC)ユーザーが欲しがるものがすべて詰まっている。プロセッサーは業界最高の性能をもつ「Snapdragon 835」。メモリー(RAM)の容量は、スマホとしては桁外れの8GB。バッテリーは4,000mAhの大容量だ。

最大の魅力は、120Hz駆動の5.72インチディスプレイ「クアッドHD IGZO液晶」(これらの略語にはちゃんと意味があることを保証する)だ。このディスプレイは、スクロール中やゲーム中にはフレームレートを上げ、文章を読んだり映画を観たりするときには下げることができる。

Razer Phoneのディスプレイに使われている技術は、iPadに採用されている「ProMotionテクノロジー」のようにも聞こえる。そして実際に似たような能力を発揮するようだ。

Androidスマホでこれほどスムーズにスクロールできたのは初めてで、お気に入りのモバイルゲーム「Riptide GP: Renegade」のデモを体験したときのプレイ感やヴィジュアルも素晴らしかった。外観からはわからないが、「Razer Phone」は確かにゲーム用なのだ。

スペック一覧の続きを見ていこう。12メガピクセルの背面カメラが2つ。24ビットDACを内蔵したUSB-Cオーディオアダプターがついてくる。フロントのステレオスピーカーは「Dolby Atmos」に対応。搭載されているOSはAndroid 7.0 Nougat(ヌガー)だが、ホーム画面のランチャーアプリで屈指の性能とカスタマイズ性を誇る「Nova Launcher」を備えている。Razerによれば、Androi 8.0 Oreo(オレオ)にも間もなく対応するということだ。

Razer Phone2

Razer Phone2

PHOTOGRAPH COURTESY OF RAZER

「用途がバレない」という魅力

当然ながら、ゲーミングスマホで最も重要なのは対応ゲームだ。見逃せない傑作ゲームがプレイできない問題は、「Nokia N-Gage」のころからあらゆる「ゲーマーフォン」にとって悩みの種だった。

この点でRazerが有利なのは、すでに相当数のゲーム製作会社と連携していることだ。Razerは「Arena of Valor」や「ファイナルファンタジー」といったゲームの開発元と協力して、ソフトをRazer Phoneのスペックに最適化している。この動きはRazer Phoneにとっても、Androidのエコシステム全般にとってもよいことだろう。

Razerは現在、これまでも多くの企業が挑戦してきた厳しい路線に挑もうとしている。すなわち、「ゲーマー用に見えない」ゲーマー向けスマホをつくることだ。

Razerは、人々がスマホを2台も買わないことをよく理解している。そして、大切なプレゼンと大切な「Shadowgun」のセッションと、どちらにも最適化されたデヴァイスが必要とされていることもだ。これを実現するのは至難の業だが、Razerのオフィスでの短いデモからは、彼らはかなりよい仕事をしたことがわかる。

「ゲーミング」という名目のため、「クールなスマートフォン」としてはわずかな妥協(大型のバッテリー搭載のための厚めの本体や、グリップ向上のための余分なベゼルなど)が見られる。だが、Razer Phoneをスーツのポケットから取り出しても、疑いの目を向ける人はいないだろう。もちろん、会議中にスマホのスピーカーから「ハースストーン」の心地よい調べが鳴り響けば、その真の用途がばれてしまう可能性はあるが。

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