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12月13日、ヒルトン東京お台場で行われた米技術会社NVIDIA(エヌビディア)の「GTC Japan 2017」 イベントにて同社の創業者兼CEO Jensen Huangが基調講演を行い、新製品やビジョンを紹介し、同時にコマツとの協業も発表した。

Huang氏はGPUコンピューティングの躍進を振り返って、「コンピューターグラフィクス(CG)は膨大なコンピューティング能力を求める一方、利用される市場は非常に大きいため、同社ならびに投資家がCGの発達を促す積極的にR&Dに投資をしてきた。そのため、CGがかなり発展してきたが、これからはさらに現実に近いVR空間を創造できるような技術を目指している。」と述べた。

このようなVRを実現するため、NVIDIAはNVIDIA Holodeckというデザインラボを開発し、アーリーアクセスでの提供を開始した。

Holodeckを使って、世界の様々なところにいるデザイナーは仮想空間でフォトリアルなモデルのデザインにチームコレボレーションができる。また、必要に応じて、VR空間の法則を現実世界の物理法則に従うように設定できる。VRモデル作成にCADデータを使っているため、ゲームと違って、小さな部品まで現実的にデザインできるという。また、物理素材の特徴までフォトリアルに表現可能だ。

「GTC Japan 2017」 CEOが語るNVIDIAのソリューションとビジョン

ディープラーニング技術の能力も明らかになってきていて、言語認識や画像認識の分野においてAIは人間を超えるほどになってきている。

2017年にNVIDIAは開発に20億ドルの投資をかけてVoltaという125TFLOPSの新しいGPUマイクロアーキテクチャーの発売を開始した。また、8基のVolta やソフトウェアを統合し、AI開発用のDGXと DGX Station、1PFのスーパーコンピューターを開発した。DGX-1は20台のサーバーラックと同じ性能で稼働するという画像認識事例が紹介された。あらゆるクラウドサービスやサーバーベンダーがVoltaを採用しているという。

他に、NVIDIAは複数のフレームワークを最適化・統合しNVIDIA GPU cloudというクラウドレジストリーとTensorRT 推論アクセラレータプラットホームをもリリース。また、今まで最も高性能だったGPU Titan Xのパフォーマンスを10倍ほど超えている110TFのTitan Vの発売開始を発表した。

以上のすべての技術を使い、以前解決不可能だとされた問題も解決できるようになったという。

例えば、部分的にレンダリングされたフォトリアルな画像を完成させるNVIDIA researchの AI オートエンコーダーの学習にディープラーニングを使い、実世界とそっくりのコンピュータ生成したアニメーションを作成できるようになったという。他にも、CGアニメーション・キャラクターに音声に基づく顔のアニメーションを可能にするネットワークを開発した。話に合わせて、CGキャラクターの表情が変わるというデモが基調講演中で行われた。

また、GAN(Generative adversarial networks)というAIアルゴリズムはCG画像にセマンティックマニピュレーションを適用し、フォトリアルな画像を作成できた。さらに、NVIDIAはプログレッシブGANに有名人の顔を学習させ、AIが独自で存在しない顔の画像を生成した。これからは、VRアバターなどで利用可能だと思われる。

Huang氏によると、コンピューターとソフトウェアの未来は、人間が開発できないレベルほどの複雑なソフトウェアはソフトウェア(AI)によって開発されるという。そのため、NVIDIAは学習・推論のため最も強力なAIプラットホーム開発を目指している。

世界最大ロボットメーカー、重工や自動車メーカーの国である日本では課題も多く、その課題を解決するにはAIはもっとも適切な技術であるといい。NVIDIAは日本でAIを展開するため、富士通、ファナック、スーパーコンピューターを開発しているAIST研究所や複数のAIスタートアップとパートナーになった。

特に、自動運転車にとってAI は欠かせない技術であり、自動運転車の実現には次世代のAIが必要だ。AIによって、運転の安全性が向上するだけではなく、自動車コンセプト自体が変わり、交通や社会全体に変化が起きる。

一方、自動運転車の実現は史上最も複雑なコンピューティング・プロジェクトでもある。その理由は、この複雑な世界のあらゆる状況で安全な運転を確保しなければいけないためだ。自動運転車の失敗は命に係わり、許すことができない。

また、普段運転に使っていた時間が暇になり、車は移動ためのツールから、エンタテインメント・スペースになるという。車で快適で楽しい時間を過ごすため、開発者は多種のアプリケーションを開発する。将来の車はソフトウェアで定義されるという。

自動運転車市場は巨大であり、各大手自動車メーカーは強力でスケーラブルな、複数の車種に対応するアーキテクチャーを開発しなければいけないという。

NVIDIAはNVIDIA Driveというsuper computer on a chipを開発し、自動運転のレベル5までスケールアップが可能である一つのチップに収めたスーパーコンピューターである。AIソフトウェアは次世代車両に搭載されたあらゆる車内外センサーを統合し、車両は環境や乗っている人を認識できるという。さらに、エネルギー効率性も考慮されている。

自動運転技術は運転に革命を起こすというが、AIは運転だけでなく、ユーザーエクスペリエンスに革命を起こすという。

NVIDIAが開発したDrive IX SDKはセンサーやカメラを統合し、ユーザーエクスペリエンスの変革や車両で過ごす時間をもっと楽しめることを目指している。

Drive IXはドライバー視線管理、目的地設定、音声合成音声認識、ジェスチャーや顔認識などの技術を採用し、次世代のユーザーエクスペリエンスの提供している。快適さだけではなく、同システムがドライバーを管理しているため、わき見運転、居眠り運転、近づいている車両や人間などを感知したら、警告する。同車両は運転ができるほか、人が運転している時にコパイロットとして安全性を促す。

将来の自動運転車はセンサー処理やセンサー統合、AIや並列計算などを使い、取得したデータに基づいて行動しなければならないという。つまり、将来の自動車にはリアルタイムチップに乗せたスーパーコンピューターが必須であり、従来のコンピューターに使われたプロセッサより新型高性能プロセッサが必要だという。

将来の車両でどんどん増えているソフトウェアやどんどん複雑化していくアーキテクチャーに対応するため、NVIDIAは世界初の自律動作マシン用XAVIERプロセッサを開発し、発売を開始した。

XAVIERは今までNVIDIAが開発したチップ中で最も複雑なチップである、30TOPSのコンピュータービジョン、ディープラーニング、並列計算性能を保有する(Voltaは最大チップである)。

Huang氏は将来、移動するマシンはすべて自律技術を採用すると考えている。トラック、ショベルカー、ロボットアームや家庭用の小型ロボット、ピザ配達ロボットなどあらゆるマシは自動運転技術を使うようになる。その時使う基本コンピューティングは自動運転車で使うソフトウェアと同様だが、用途は違う。建設、農業、製造や倉庫事業などからなる産業機械市場は4000億ドルという膨大な規模だ。

特に、新技術によって建設現場が変わると期待される。AIマシンは障害物を検知し、自律的にナビゲートしながら、タスクを処理する。AIマシンは環境をスキャンして、そのデータをオペレーターに送信する。VR環境で現場環境が再現されることによって、遠隔にいるオペレーターはVRで操作できるとHuang氏がビジョンを語った。AIコンストラクションを早く実現するため、NVIDIAと日本のコマツがパートナーになり、より安全かつ効率的な建設現場を目指すという。

また、Huang氏は今年日本で行われたIREXロボット展を言及し、日本はロボットや産業技術が進んでいると国であると主張した。

AIとロボットを統合することになると、解決しなければいけない課題は自動運転車と違うという。自動運転技術はルールを守り、障害物を避けることはメインだが、ロボットの場合、モノと接し方や操り方はメインである。また、同ロボットは正しく稼働ができるように、世界の物理法則をとらえなければいけない。
ロボットとAIの統合において、下記はHuang氏が重要とされた事項である:

1) 自律マシン用のあらゆるセンサーに対応するプロセッサの開発
2) 20や30の自由度を動作させるAI
3) ロボットの頭脳を訓練できる現実世界に近い仮想環境の利用だ。

仮想環境でロボットのAIをトレーニングさせることにより、実物にニューラルネットワークを転送した場合、実世界では被害なくロボットが稼働できるという。

NVIDIA isaac

NVIDIAでは、このような訓練にすでに取り組んでおり、Isaacというシミュレーション環境を開発した。ロボットの機械的モデル、センサーモデル、環境の正確なモデルなどをVR で再現し、ゴルフを習っているロボットのデモを公開した。ゴルフをマスターしたロボットに新しいタスクを訓練させ、さらにHolodeckで人間との相互操作を訓練させ、いつか実世界で自律的に人間と協働できるという。

最後に、Huang氏はディープラーニング技術が日本のロボットや製造業で革命を引き起こすことを期待し、NVIDIA 社は様々なパートナーと組んで、日本でAIを促進させたいと述べた。

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