その猫のポートレートは、「インスタ映え」の本質を教えてくれる

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闇のなかに浮かび上がる1枚の猫のポートレート。まるで野獣のようにも見えるこの瞬間をとらえたスティーヴン・ショアは、1970年代から街の何気ない風景をスナップショットに収めることで名声を確立した写真家だ。Instagramが誕生するずっと前から撮り続けてきた彼の技法からは、いわゆる「インスタ映え」の本質が見えてくる。

TEXT BY ANNA VLASITS
EDITED BY CHIHIRO OKA

WIRED(US)

PHOTOGRAPH BY STEPHEN SHORE

スティーヴン・ショアは、Instagramが誕生するずっと前から“インスタの芸術家”だった。彼は1970年代にアメリカ国内を旅しながら撮ったカラー写真によって、その名声を確立した。駐車場やパンケーキの朝食、キャンプ旅行といったありふれた日常を入念な構成でとらえたスナップショットは、未来のインスタグラマーたちの手本とも言うべき美しい作品だった。

現在、ショアは実際にInstagramを使っている。投稿頻度はだいたい1日に1枚。そして昨年11月にニューヨーク近代美術館(MoMA)で始まった大規模な回顧展では、過去3年分の投稿が展示された。そのなかには愛するペットのオスカーと思しき猫のポートレートもある。

人々は明るいスクリーンやスクロールといったソーシャルメディア独特の体験をしながら、iPadでショアのフィードをたどっていく。それでも、彼の猫の写真を自分のそれと比べないように。

ショアは「猫の写真を撮っているとき、Instagramに猫の写真が何百万枚もあることは百も承知しています」と言う。「写真はそれ自体で強いものでなければならず、猫の写真であるということだけを頼みにしていてはいけません」

オスカーを撮ったその一瞬、猫の目の奥深い場所とその獰猛な凝視を際立たせるのに最適な光がそこにあったのだ。ショアはわたしたちに、現実世界では彼の猫はこんなに怖くは見えないことも教えてくれたのである。

スティーヴン・ショアのInstagramアカウントはこちら:@stephen.shore

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