NEC、IoTで「つながる工場」「つながる製品」を目指す

f1111052ce0d7bee9d20107b735707fc-15e8e5684fb1ebc18b29ce26c0d6b5386fe9aecf

7月中旬にソフトバンクが英ARMを買収し、世界をアッと驚かせました。孫正義社長は次に狙うのはIoTであり、そのイニシアチブを握るための買収だと述べています。IoTは今やどの業界にとっても重要命題。日立製作所もIoTプラットフォームの開発・構築を強化するため、2016~2018年度の3年間で累計1000億円を開発費用として投じると発表しました。また、ニフティのようなソリューション企業でもIoTをビジネスの基軸にすると発表しています。そして今回は、同様に活発にIoT戦略を推進しているNECの動きについて触れたいと思います。

NECがIoTに先手を打てた理由

NECは、ITベンダーと製造業の両事業を展開していることもあり、その強みを生かしてモノづくり企業のIoT活用を支援する「NEC Industrial IoT」を推進しています。この「NEC Industrial IoT」自体は2015年6月に発表されたものですが、実はかなり早くからIoT支援の取り組みを始めています。

その原型となったのが、2012年から始めた製造業支援のための「ものづくり共創プログラム」。現在ではすでに1000社以上の企業や工場が会員になっています。NECではこうしたユーザーを集めて、毎年50以上の研究会や勉強会、見学会などを開催。これにより企業間の交流も促進されるというわけです。

こうした交流の中で、海外に工場を持つ企業からドイツが取り組む「インダストリー4.0」の情報を早期にキャッチ。さらに、あるドイツ企業から生産ラインにおけるIoT活用についての依頼が舞い込んだことで、「IoTが来る!」と確信。そこから一気に製造業のIoT活用や「スマート工場(スマートファクトリー)」案件へと舵を切ることになったのです。

「つながる工場」によって製品の完成率が向上

近年、ヨーロッパではますますトレーサビリティが厳しくなっています。そのため、最終製品メーカーに納入する部品メーカーでは、工場のチェックを強化せざるを得ません。納品する部品だけの検査ではなく、全品検査が要求されるケースまであり、IoTを活用しなければ立ち行かなくなってきています。

こうした中、NECでは自社工場やパートナー企業から得られた検品データをクラウド化し、手戻りが多かった製品の直行率を改善させています。これこそ同社が掲げる「つながる工場」の成功例です。

「つながる製品」で成果向上

こうした「つながる工場」としての成果の一方で、NECでは「つながる製品」の部分でも成果が生まれつつあります。製品同士がIoTでつながることによって、アフターサービスや製品の改善、新製品の企画開発など、製品の出荷後も価値を生み続けるサービスを創造できるのです。社外との連携が必要になる「つながる工場」は投資コストも高く、成果が出るのも時間がかかりますが、「つながる製品」は費用対効果でプラスにしやすい面があります。

「NEC Industrial IoT」の4つのポイント

「つながる工場」と「つながる製品」という2つのイノベーションを掲げるNEC Industrial IoT。そのポイントは4つあります。1つめは、NECが持つ「先端IoT技術の活用」。同社には、世界一と評価されている顔認証技術など多数の技術があります。これを工場にも応用して、トレーサビリティや製品管理に役立たせようというのです。

2つめは「NEC自身の実証」。NEC Industrial IoTを、NECのモノづくりに適用していくことで、30%の生産性向上を目指そうとしています。3つめは「パートナー連携による提供価値拡大」。すでに三菱電機やデンソーウェーブなどとのアライアンスを発表。今後さらにパートナーを拡大していく予定です。

そして4つめが「お客さまとの共創」。従来の「NECものづくり共創プログラム」を継続し、会員企業と一緒にIoTの研究や実証実験を推進していくというもの。実際、ここから新しい発見やパートナーシップが生まれているため、かなり重視されています。同社は2018年度までに、NEC Industrial IoT関連事業で累計2000億円の売上を目指す計画。モノづくり大国の復権を目指して奮闘してほしいところです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

話題をチェック

  1. 600x601x20170822nana.jpg.pagespeed.ic.u5ed1iTQeL-e5b3de5c391c8e3805df72a8cdb3da051ece71fa

    ANA、機内食総選挙2017の結果発表 和食は牛すきやき丼、洋食はビーフシチューとオムライス

    Sponsored link  機上ӗ…
  2. MIT-Instant-Retouch-TA-12db540ca97a6020f2db78ca5b27647ac89d2f28

    機械学習を用いれば、写真が「撮影する前」からプロ仕様の美しさに──グーグルとMITがアルゴリズムを開発

    NEWS 2017.08.22 TUE 08:00マサチ&…
  3. GettyImages-496380034-e1503241697905-b18cea347ee2933a806af5a4adfa2f3d9569add1

    「世界共通のインターネット」を巡る、グーグルとカナダ最高裁との闘い

    NEWS 2017.08.21 MON 07:00カナダ&…
ページ上部へ戻る