火星を目指すNASAの人型ロボット「ヴァルキリー」、その驚くべきスペック

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人類の火星移住計画での活躍が期待される「ヴァルキリー」。実用化に向けて改良が進められているこの人型ロボットの、スペックと現状をまとめてみよう。

PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA
TEXT BY VICTORIA WOOLLASTON
TRANSLATION BY HIROKI SAKAMOTO/GALILEO

WIRED (UK)

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米航空宇宙局(NASA)の人型ロボット「ヴァルキリー」(正式名称:R5)は、2013年に行われたDARPAロボティクス・チャレンジ(DRC)の予選に出場するため、NASAのジョンソン宇宙センターによって設計・開発された。

ヴァルキリーは当初、被災地での作業を遂行できるように設計されたが、さらに開発を進めるためにNASAは、2015年11月に同ロボット2体を、マサチューセッツ工科大学(MIT)など米国内の研究施設に提供した(日本語版記事)。

宇宙飛行士には危険すぎる環境で作業を行うことを目指して設計されたヴァルキリーは、NASAが進める人型ロボット開発計画「ロボノート」の3番目となる最新ヴァージョンだ。

NASAとゼネラルモーターズ(GM)の共同開発によって誕生した脚のないデザインの「ロボノート2(R2)」は、2011年に初めて国際宇宙ステーション(ISS)で稼働した。

最初の2体「R1」と「R2」がISSで反復作業を行うために設計された一方で、親指を含む4本の指を手にもつヴァルキリーは、資源の採掘や、火星地表での自律的な居住環境の建設、災害救助作戦の完遂、宇宙飛行士との協働などを目的として、現在改良が重ねられている。

北欧神話からその名がとられたヴァルキリーは、「人間にとっては厳しい環境での稼動が可能な、頑丈で耐久性に優れた、全動力源を電気でまかなう人型ロボット」になるべく設計されている。

ヴァルキリーは、2個の「Intel Core i7」で稼動。コンピューターとセンサー、および1.8kWhのバッテリーが搭載されている。バッテリーが不要なときは、壁にあるコンセントからの電気で稼動することが可能だ。

ヴァルキリーの頭部には、Carnegie Roboticsによって開発された知覚センサー「Multisense SL」が搭載されている。また胴体にも「ハザードカメラ」が搭載されている。各上腕には、回転式直列弾性アクチュエーター4個が組み込まれており、前腕と合わせると、ヴァルキリーは7つの関節をもっている。

各前腕部では、1個のロータリーアクチュエーターが「手首」をローリング(前後軸を中心とする回転)させ、1対のリニアアクチュエーターが手首のピッチング(左右軸を中心とする回転)とヨーイング(垂直軸を中心とする回転)を制御する。さらに前腕には、親指を含めて4本の指をもつ「簡略型ヒューマノイド・ハンド」が取りつけられている。

骨盤には、回転式直列弾性アクチュエーター3個が内蔵されており、それらによってウエストの回転関節、および各脚につながるヒップの回転関節が制御される。骨盤はヴァルキリーのベースフレームと考えられている。

ヴァルキリーの体重は約136kg、身長は約188cmだ。現在、コリジョンフリーな動き(障害物との衝突を回避する動作)の実現を目指して、世界各地の大学でヴァルキリーの改良が進められている。

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