事例で見るコミュニケーションロボットのありかた ーPepper World 2017

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ソフトバンクの年次イベントPepper World 2017 が2月8日から9日にかけて虎ノ門フォーラムで開かれた。
ソフトバンクによると、2016年10月の時点で1700社以上がPepperロボットを利用していた。確かに、2016年にPepperが都内の様々な店で案内していることがよく見かけるようになった。そのため、Pepper World 2017でどのような新しいアプリケーションが現れるのかは興味深かった。

約40の最新ソリューションが展示され、「業務自動化」に関するIoTとAI技術を積極的に使う新ソリューションがメインだったといえる。アプリケーション分野ごとに大きく3つに分けられる:

セールススタッフ

受付/決済 株式会社ヴィンクスはレストラン用の受付・注文・決済ソリューションを開発した。Pepperが接客し、顧客の答えに基づいて商品をお進めする。顧客が推薦された商品あるいは違う商品を購入したい場合、Pepperディスプレイでボタンを押すと、注文が店舗システムに送信される。決済の時も、ボタンを押したら、顧客の料金が決済システムに送信される。

株式会社ヴィンクスが開発したレストラン用の受付・注文・決済ソリューション

万引き防止 Pepperが店舗の犯罪者画像データベースに接続し、顧客の顔がその画像と一致した場合、店員に警告通知を送る。

Pepper World 2017 に紹介された様々なPepperアプリケーション

ソフトバンクロボティクスの万引き防止ソリューション

しかし、Pepper が画像認識できる範囲が狭く、離れている人の顔認識ができないということだ。そのため、開発者は近いうちにセキュリティカメラを同システムにつなぐことを考えているようだ。

AIを活用しているPepperだからこそ、行動分析を使って万引き防止する仕組みも可能ではないかと感じた。

PRスタッフ

店頭販促
Pepperが販売フロアで呼び込みをし、割引クーポンを配布することで集客と販売促進に役立つ。
ビッグカメラで行った実証実験では、Pepperが顧客にヘアドラヤーを試すように声をかけることで、実際に試す顧客数は増え、売り上げが三倍増加したという。

疾患啓発
病院でPepperが接客し、ディスプレイ―で健康に関する質問を表示する。顧客が質問に答えると、その結果が自動的にプリントアウトされ、各種の検査受診を促す。Pepperと交流する時間は診断を待っている顧客の暇つぶしにもなり、ストレス軽減に役立つ。

自動会員登録 身分証とSMS認証により自動会員登録サービスであり、手間を軽減しながら会員数を増やす。または、似ているアプリダウンロード誘導サービスでは、顧客がPepperのディスプレイに電話番号を入力すると、アプリのダウンロードリンクあるいはキャンペーンページがSMS で送信される。そしてリピーター獲得はクーポン発行時にくじ引きや商品紹介などのオンライン・ツー・オフライン体験を可能にしたソリューションだ。

アプリダウンロード誘導サービス

アプリダウンロード誘導サービス

サービススタッフ

観光コンシエルジュ
空港などで設置されたPepperが英語と中国語で観光客を案内し、地図印刷などすることで顧客対応を行う。

サポートセンターで外国語対応のスタッフがいる仕組みになっているので、本当にコスト削減になるのかは疑問となる。今後、あまり人手をかけずにサポートできるようになるとよい。

また、工場環境でPepperはスタッフのストレスチェックアーム連携など用途で使われているということだ。

パートナーソリューション

他にも、様々なパートナー企業が、Pepperをつかった展示を行っていた。

ソフトブレーンの「eレセプションマネージャ」

ソフトブレーン株式会社はPepperとIBM Watsonを活用し、eレセプションマネージャー(受付アプリ)とeレセプションマネージャーfor guide(案内アプリ)ソリューションを展示していた。

ソフトブレーン株式会社のブース

ソフトブレーンのブース

質が高い受付業務を目指し、eレセプションマネージャーに次の機能をいているということだ。

スケジュール管理、個別対応、担当者呼び出し、QRコード受付、顧客情報管理、伝言

受付アプリの仕組みでは、Pepperが顧客情報を基に個別に会話対応するという。また、顧客に事前に案内しているQRコードをPepperにかざすと、簡単に受付を完了させる。Pepperは来客のことを担当者へ電話またはメールで知らせられる。

案内ソリューションの場合、Watson の技術で人が話したことを認識し対応する。また、詳しい説明が必要な場合、専門の担当者に連絡するということだ。

Global wiseのPepper用のモービルベース「きんとうん」

Pepper World 2017 に紹介された様々なPepperアプリケーション

株式会社Global wiseはPepperの行動範囲を大幅に拡大するPepper用のモービルベース「きんとうん」を提供している。ここで、なぜすでに動けるPepperにモビールベースが必要だと思っている読者もいるかもしれないが、オリジナルPepperが連続稼働できる期間は短く、または加熱しやすいそうだ。「きんとうん」に乗せることで、連続稼働時間は8時まで延長されたという。また、自動充電、障害物の自動検知や自動停止、稼働エリアマッピングや300キロまでのけん引可能になったことで、工場や空港を始め、「きんとうん」に乗せたPepperが様々な場面で使われるようになる。

エクシングの健康王国 for Pepper

株式会社エクシングは、介護施設向け総合ソリューション健康王国for Pepper を展示していた。体操やクイズなどのコンテンツを楽しむレクリエーション機能や施設利用者一人一人の顔認識し、様々なシナリオで対話サービスを行う。他にも、JOYSOUNDのカラオケ音源に合わせてPepperが一緒に歌う「カラオケ機能」も開発しているということだ。

イサナドットネットのバイタルデータ管理ソリューション「bismcare for Pepper」

イサナドットネットはbismcare for Pepperソリューションを展示していた。Microsoft Azureのコグニティブサービスを使い、顧客との個別な対応や、バイタルデータ登録、自然なコミュニケーションが実現できるということだ。

イサナドットネットの「bismcare for Pepper」

イサナドットネットの「bismcare for Pepper」

エクスウェアのプレゼンテーションソリューション「ペッペル」

エクスウェア株式会社はペッペルというPepper用のプレゼンテーションソリューションを月額5,000円から提供している。PepperとiPhone/iPadを連携し、クラウド上で作成したコンテンツに沿ってPepperがプレゼンテーションを行うというサービスだ。プレゼン以外にも、フロア案内にも活用が可能だということだ。

IoTカフェ

ネスレ日本株式会社

が提供しているIoTカフェというマーケットアプリでは、顔認識の技術が使われ、それによってPepperが過去に接客した顧客を自動的に識別し、履歴からお好みのコーヒーを提案するというカフェ店員ソリューションだ。

ネスレ日本株式会社のIoTカフェソリューション

ネスレ日本株式会社のIoTカフェソリューション

コーヒーが選択された後、データが連携されている、ネスレの「バリスタi」に情報が送信され、コーヒー抽出が自動的に始まるということだ。また、コーヒーは抽出されるうちに、Pepperが設定されたプレゼンを行うことも可能だという。

Pepperの新しい使い方や、弱みを改良するソリューションが徐々に増えてきている。今年からソフトバンクは、エコシステム構築に力を入れているため、ますますPepper用のアプリを開発しているデベロッパーが増え、想像力に富んだ利便性が高いソリューションがでてくることが期待される。

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