『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は素晴らしいけれど…:『WIRED』US版レヴュー

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5月12日から日本公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』。前作同様、銀河で大暴れする個性豊かなキャラクターと素晴らしいサウンドトラックは、ファンなら間違いなく楽しめるだろう。しかし「1作目を超える感動」を今作で得るのは難しいかもしれない。

TEXT BY ANGELA WATERCUTTER

WIRED(US)

コミックを原作とする映画をつくるにあたってひとつわかりきっていることがあるとすれば、偉大なるスーパーヒーローがチームを組む映画が、ほとんど確実にヒットするということだ(『ファンタスティック・フォー』については、リメイクやカツラではカヴァーできないものがあることにしておこう)。

だが、こうした作品の続編が、第1弾と同じような幸運に恵まれるかどうかは疑わしい。いいキャスト、同じ監督、最高にかっこいいCGイメージといった適切な素材はすべてあるのに、続編は前作ほどはうまくはいかないものだ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』にも、それは当てはまる。

素敵なミックステープのように、ジェームズ・ガンは、2014年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のファンにとっては馴染み深い方法で本作を盛り上げてくれるし、 ピーター・クイル/スター・ロード(クリス・プラット)は今回も自信満々の魅惑的なスタイルを保っている。ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)はまたしても言い寄るクイルを退け、ドラックス(デヴィッド・バウティスタ)はラジオのコメディーショーの化身となり、ロケット(ブラッドリー・クーパーが声を担当)はずっと怒鳴りっぱなしだった。本作で気づく唯一の違いは、CGによって多様な感情表現を行うグルート、いや、ベイビー・グルートの礼儀正しさだ。最初の予告編[日本語版記事]が公開されたときから、その可愛らしさは絶賛されている。

でも、わたしたちはミックステープについて話しているのだから、初恋の人が初めてくれたミックステープを考えてみよう。そのミックステープを聴いたとき、含まれていた曲たち、その順番、そして、空気の匂いさえも思い出すだろう。そして今度は、2番目にその人につくってもらったミックステープにはどんな曲が入っていたかを考えてみてほしい。いくつかは覚えているだろうが、最初の曲がスティーリー・ダンだったか、スティーヴィー・ニックスだったのかは思い出すのが難しいかもしれない。

なにも、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』がつまらないと言いたいわけではない。もし、スーパーヒーローがいちゃついたり、仲間と絆を深めたりするシーンや、生々しすぎない下ネタが好きならこの映画は楽しめるだろう。1回か2回くらいは泣けるシーンもあるかもしれない。しかし、もしあなたが最初の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と大きく異なる何かを望んでいるなら、本作には失望するかもしれない。

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PHOTOGRAPH COURTESY OF MARVEL STUDIOS

もちろん、今作から登場する重要なメンバーはいる。そしてこのキャラクターこそが、本作に価値あるドラマをもたらしている。カート・ラッセルはイーゴ・ザ・リビングプラネットとして、スター・ロードの父親役を完璧に演じている。

1作目では、自分の父親を知らないクイルが、仲間たちに新しい家族を見出す姿に多くの焦点が当たっていた。そしてテープのB面では、クイルは「彼の父である」と断言し、クイルの新しい家族を壊しうる脅威でもあるイーゴに出会う。ラッセルは、魅力的な人物と信用ならざる人物の境界にいるこの役をたやすく演じている。まぎれもなくラッセルが、この2作目をより深い作品にしているのだ。

黄金の惑星「ソヴリン」の指導者であり、ガーディアンたちの重要なバッテリーを盗もうとするアイーシャ(エリザベス・デビッキ)も、2作目から登場するキャラクターだ。アイーシャによる復讐から、今作の最終対決へとつながっていく(この部分に関していえば、映画はできれば3Dで見たほうがいい。このシーンはとても美しい)。アイーシャは間違いなくほかのマーベル・シネマティック・ユニヴァースの作品にも登場するので、彼女の動向は見逃さないでほしい。

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こうした要素が、本作を間違いなく楽しめるものにしている。たとえドラックスの笑いのようにどこか“つくりもの”のように感じたとしても、そこにはユーモアがある。友情、素晴らしい映像、そして最高に楽しいサウンドトラックもある。同じダンスフロアで2回目のダンスをするように感じるかもしれないが、前作やマーベル映画のファンたちがこの映画を愛さないわけがない。

2作目のクライマックスに向かうところで、誰か(ネタバレはしない)が、スター・ロードに「新しい」音楽プレイヤーを与えるシーンがある。ここでのジョークは、その音楽プレイヤーがマイクロソフトがかつて販売した「Zune」だということだ。Zuneに「なんと300曲も?!」と驚いたあと、彼はメニューをスクロールし、ある曲を再生する。キャット・スティーヴンスの「父と子」だ。ピーター・クイルは、マーベルやジェームズ・ガン、そして本作と同じように、黙って“ヒット”を流すことを知っているのだ。

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