「世界の肥満化」が加速、世界人口の3割が過体重になった理由は?

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ゲイツ財団出資の国際共同研究によれば、世界の3人に1人が過体重であり、10人に1人は肥満だという。数多くの国で肥満は増大しているが、特に問題なのは子どもの肥満化が急速に進んでいることだ。こうした肥満化の最大の原因は、ジャンクフードの普及だと考えられている。

TEXT BY BETH MOLE
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO

ARS TECHNICA(US)

PHOTO:GETTY IMAGES

肥満に関する世界的な調査の結果が、2017年6月12日付(現地時間)に『New England Journal of Medicine』で発表された。それによると、標準体重を超えている過体重の人は世界全体で約22億人(世界人口の約3分の1)おり、肥満に該当する人は約7億1,200万人(約10パーセント)と推定されるという。なお、この研究では「過体重」の体格指数(BMI)は25~29、「肥満」は30以上と定義されている。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団が出資するこの大規模な国際共同研究では、何千ものデータソースを用いて、1980~2015年の間に肥満が世界でどのように広がったかが示された。同期間に、肥満は73カ国で倍増し、それ以外の国の多くでも着実に増加している。

肥満者数の大部分を占めたのは成人だったが、憂慮すべきことに、多くの国で肥満の増加ペースが最も速いのは子どもだった。

2015年には世界全体で、1億800万人の子どもと6億400万人の成人が肥満となった。最も人口が多い20カ国のなかで、成人の肥満率が最も高いのはエジプト(35パーセント)で、子どもの肥満率が最も高いのは米国(12.7パーセント)だった。逆に、肥満率が最も低い国は、成人ではベトナム(1.6パーセント)、子どもではバングラデシュ(1.2パーセント)だ。

肥満人口の総数が最も多いのは、成人については米国(7,940万人)と中国(5,730万人)。子どもについては中国(1,530万人)とインド(1,440万人)だった。肥満率が最も上昇している地域は、アフリカと南米、中国だ。2015年には、世界全体で太りすぎが原因で400万人が命を落とした。そのうち40パーセント近くは、過体重だが肥満ではなかった。

体重に関連する死因のトップ5は、心血管疾患、糖尿病、腎臓病、ガン、筋骨格障害だったという。

研究チームは、低価格の高エネルギー食品(ジャンクフード)の普及が最大の原因だと推測している。論文執筆者は各国政府に向けて、子ども向けのジャンクフード広告の抑制や、ジャンクフードへの課税、学校給食の栄養基準の引き上げ、食品の全体的な栄養価を高める誘因の創出を推奨している。

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